ある日、ビルの中、王子様に囚われました。
「え、全然! 閉じ込められると言うか保護って感じですし!」
「君ならそう言うと思ってました。きっと、単純だから新澤や黒岩さんでも同じことを言ったと思います」
寂しげにため息を吐かれた。
けど、私だって誰にでもこんな風にときめくわけではない。
きっと天宮さんだから、なのに。
「そんな危なっかしいところが、明良と一緒に見ていて不安でした。俺が守ってあげれたらいいのになって」
手がすっと伸びて、思わず目をぎゅっと閉じる。
すると、寝ぐせがついていた髪を撫でられる。
「……天宮さんだってお人好しですよ。私なんかを守りたいだなって」
「そう? じゃあ御似合いかな。俺達」
クスクスと笑われて、なんだか私まで笑ってしまった。
「今日はどうします? 仕事手伝ってもらえますか?」
「もちろんです! 働かざる者食うべからず! ガンガン働きますっ」
「じゃあ、その後、落ちついたら社長のところに案内致します」
「え」
「社長。実は今、ここのホテルのスイートルームに来てるんです。内緒ですよ」
珈琲を飲みつつ、上を指差す。
「退院されたってことですか?」
「それはまだ内緒です」