ある日、ビルの中、王子様に囚われました。
その言葉に私はコップを強く握りしめた。
彼が私の前に現れてタイミングや、強制的なプロポーズ。
その折、会社の為だと言っていた事も知っている。
だから、彼女の言葉を彼が否定しないだろうと予想は付いた。
「調べたら、社長のお孫さん、今会社に出勤してないんですって。この会議を嗅ぎつけたのかしら」
ひ。小さく喉から声が漏れる。調べられたんだ。うちの親が見つけるぐらいだもんね。簡単に探せるのだとは思うけど、このホテルに浚われといて本当に良かった。
私は死刑を宣告される様な気持の中彼の言葉を待ったが、発せられたのは冷静な言葉だった。
「社長の孫はこの会議には関係ありません。社長の財力に頼らずひっそりと暮らしている彼女を尊敬していますが、この時間も労力も無駄な争いに巻き込むつもりはありません。会社の今後の方針についての会議を進めますので理解できませんでしたら、お帰り下さいね」
早口で叩きつけるように言うと、天宮さんはさっさとこれまでの業績に付いての見直し点と、今後の社長が居なくなった場合の仕事についての方針を説明しだした。
悔しそうな、忌々しい舌打ちと共に女性は座るが、帰ろうとはしなかった。
「お前、何してんだ」
なるべく下を向いてカップを下げていたのに、顔を上げると呆れた顔のお兄ちゃんが私を見ていた。