ある日、ビルの中、王子様に囚われました。
「……会議で、私と結婚したら天宮さんは安泰だとか罵ってる人もいたけど、……私は」
あの殺伐とした雰囲気の会議から抜けだして、お祖父さんの顔を見て安心したのかポロポロと本音と涙が込み上げてきた。
私は、天宮さんが会社の為に私にプロポーズしたことに、私自身に好意がなかったんだろうってあの会議で気付いた。
それでも、会社やお祖父さんの残した会社の指針を立て直そうと必死で真っ直ぐな姿を見たら、応援したいって素直に思えた。
この数日に天宮さんは、本当に私に優しかったから。
時には甘く私を惑わしつつも、決して強引に私に触れる様なことはしなくて、力尽くなんて考えていない紳士な人だったから。
「私は……会社は天宮さんがいたらきっと大丈夫だから、お祖父さんには身体を大切に長生きしてほしいし。……天宮さんと結婚したらきっと身内にイザコザにさらに巻きこんじゃうだろうから、お兄ちゃんと一緒で相続放棄したいな」
ずっと囚われていたかった。
けどこれ以上ここに居たら、きっと私はあの人の優しさに甘えて好きになっていく。
止められないと思った。