なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
綺麗な人……。
だなんて思った自分を殴ってやりたい。
こやつは、平和を冒涜するヤンキーだ!
関わり合うのなんて絶対御免!!
そう思っているのに、ヤツはガムを噛み、ポケットに手を突っ込んだまま、どんどんこちらに近付いてくるではないか。
「まっ…待て長瀬!話せば分かる!!」
って、あんたがどんどんこっちに後退りしてくるからだろーが!!このチャラ男っ!!
喧嘩ならよそでやってよ!!
「山下。花枝。下がってろ」
いつもクールな金城くんが、そう言って私と山下さんを庇うように前に出てくれるもんだから……
「金城…せん…ぱはぁぁい♡」
あ。やっぱり。
山下さんの目が完全にハートマークだ。
「話せば分かる?喧嘩売って来たのはそっちじゃん?何ビビってんの」
「ビ…ビビってるわけじゃ…っ」
–––––ガシャーン!!
コロコロと、転がって行くのは私の可愛い球根達。
長瀬という男が、球根の入ったバケツを蹴飛ばしたのだ。
山下さんが、肩を震わせ私の腕にしがみついてくる。
「あ?なんでバケツに玉ねぎ入ってんだ?まぁいっか」
そう言うと、長瀬はまたチャラ男に近付いて行く。