なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
その瞬間私は、カッ!と目を見開くと、
チャラ男を殴る体制に入った長瀬にスタスタと近付いていき、
その頭めがけて………
–––––スパァーーーーンッ!!!!
平手を食らわせていた。
辺りは騒然。
「は…花枝先輩…?」
山下さんと金城くんは顔を青くしてドン引き。
だけど私の視界には、最早そんなもの微塵も入ってこない。
私の視界は、完全にこの長瀬というスットコドッコイしか捉えられなくなっていたのだ。
「…いてぇ」
何が起きたか分かっていないのか、頭をさすりながらぼうっとした顔で呟く長瀬。
–––––––ガッ!
私は、その男の胸倉を引っ掴む。
「校内で……ガムを……」
「は?」
「吐くなぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」
“なー…なー…”とこだまする私の怒号。
シーンと静まり返る野次馬達。
さっきまでの悪い目つきが嘘のように、キョトン顔で目をパチクリさせている長瀬。
そんな顔でさえも、今の私には火に油だ。
「学校いち有名なヤンキーだかなんだか知らないけどねっ!
蹴飛ばすなっ!!吐くなっ!!花壇の中に入るなっ!!
それにコレは玉ねぎじゃないっ!!!
球根!!きゅ・う・こ・ん!!アンダースタン!?!?」