なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

これは…ひょっとして……片付けてる?


長瀬は全ての作業を終えると、私の前に戻って来て、ヘラを私に差し出しながら、


「スンマセンした」


と何ともヘタクソな謝り方で(謝ってるくせになぜかデカイ態度で)そう言ってくるから、私は恐る恐るヘラを受け取りながらも“目は点”状態だ。





「こらー!何しとる!!」


そんな私達の方に大きな身体を揺らして駆けて来るのは、確か体育教師の松山先生。


「まーたお前か!長瀬っ!!今度は一体何やらかした!?」


「…まだ言うほどやらかしてねー」


「十分騒ぎ起こしとるだろーが!ほら!生徒指導室まで来い!そこにへたり込んでるお前もだ!」


そう言って松山先生は、後から来た他の先生達と一緒に長瀬とチャラ男を連行していく。


その時、一瞬長瀬と目が合って。


––––ま・た・ね


と口だけを動かした気がしたが…気のせいだよね?


絶対気のせいだ。


だってあんなやつ、今後一切!一生!絶対!関わり合いたくないような人間なんだから。


“また”なんてあるはずがない。




嵐のようなその男が見えなくなるまで、私はその場に立ち尽くしていた。





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