なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
あれからすぐに、浅木くんに付き合えないと伝えに行った。


だけど、浅木くんは。


『俺、あきらめるつもりありませんから』


王子スマイルを貼り付けたままそう言って、さら〜っとスルー。


それからというもの、私を見つけるや否や浅木くんは、こうして気持ちを伝えにやってくる。


ひょっとしたら浅木くん、長瀬よりもタチが悪いかも…。


長瀬と違って、ファンがギラギラした目で彼を見ている分、私に弓矢のごとく刺さる視線の数も尋常じゃない。


長瀬の時は、みんなわりと見て見ぬ振りだからな……。


「早く俺を好きになってください」


私の手を取り、キラキラした上目遣いを向けてくる浅木くん。


あーだめだって浅木くん。


そんな背後に真っ赤なバラと白馬が見えるような立ち振る舞いで、私にそんなこと言わないでくれ!


女子達の視線に殺される!女子達の視線に殺される!


おへその辺りポチッと押したら、透明になれる体質がほしいっ!!


そんなどうしようもないことを考えていると。


「ねー!長瀬聞いてるぅ〜??」


私を見つめる浅木くんの背後を、見覚えの2人が通り過ぎていく。


「長瀬ってばぁ〜!」


ポケットに手を入れたまま、気だるそうに歩く長瀬と、その腕に自分の腕を絡め、甘えんぼの猫みたいに体をすり寄せている山吹さんだ。
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