なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「先輩?」


「あ、あああ浅木くん!」


しまった!!


なんてタイミング!!


「先輩ちっちゃいから1年の子かと思っちゃいました。珍しいですね、旧校舎に用事ですか?」


「あ、うん。ちょっと山下さんに用事があって…。って、今さらっと失礼なこと言ったよね?」


じとっと半眼を向ける私を見て、ははっと楽しそうに笑いながら、私の手を取り立たせてくれる浅木くん。


今日も相変わらずのキラキラスマイル。


地球上の人間がみんな浅木くんになれば、大気汚染とか全て浄化されるんじゃないか…。なんて思っちゃうくらいの清々しさだ。


そんなバカなことを考えていた私は、近くを通る女子が「きゃあ!浅木くんが笑ってる!」と色めき立つ声が聞こえてきて、はっと我に返った。


「あ、ありがとう!ぶつかってごめんね!それじゃっ…」


急いでその場を立ち去ろうとすれば。


「あ!待って先輩!」


すかさず私の手首を掴んだ浅木くんに、引き止められてしまった。


「先輩。ちょっと来て」


「え?ちょっ……」







浅木くんに手首を掴まれたまま連れてこられたのは、物置と化している旧校舎の空き教室。
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