なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
新校舎が出来てからというもの、以前3年の教室があった上階は、ほとんどがこういった空き教室になっている。


私達が入った教室には、ほこりをかぶった机が教室の片側に寄せられていて、去年の文化祭で使ったクラス看板や道具が放置されていた。


カーテンが閉められ、薄暗い教室内。


カチャッという音を立てて、浅木くんが内側から鍵をかけるのを見て、じわりと嫌な汗が滲んできた。


あれよあれよとこんな所まで連れてこられてしまったのはいいけど、これってものすっごーーーくまずい状況なんじゃなかろうか。


いやいや、長瀬じゃあるまいし。


浅木くんは変なことをしてくるような人じゃないとは思うんだけど。


まさかね?まさか……。


浅木くんと視線が交わってドキリとする。


目を逸らすことも叶わないまま、浅木くんは一歩一歩こちらに歩み寄ってくる。


「ここだったら、周りの目を気にせず一緒にいられる」


「浅木くん…?」


ちょっと待ってよ浅木くん。


ネクタイを緩めながら近付いてくるなんて、一体何をするつもりなんだい?


「先輩に、もっと俺のことを知ってもらいたいんです」
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