なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「は?何言って…」
そこまで言って、私は息を飲む。
茉莉の指差す方角には、たった今話題に上がっていた、“ヤツ”の姿。
私の心をかき乱し、“平和”という名の調和を乱す“ヤツ”の姿がそこにあったのだ。
「長瀬……」
な……なぜこいつがココに!?!?
整理しよう。
私達3年のクラスのある場所は、新校舎の2階。
1年と2年に関しては旧校舎の2階と3階を使っている。
新校舎には、図書室、自習室、進路指導室など、受験生に優しい作りになっていて、進学校に当たるうちの学校は、3年生が受験勉強に専念出来るよう、こういった配置になっていると言うのを聞いた事がある。
つまり、2年の長瀬がこの新校舎にいる事自体おかしいわけで、何か目的があっての事としか思えないのだけど……。
目的って何だ。
まさか……。
まさか……ね?
長瀬の存在に気が付いた生徒達がざわめき出す。
あんな身なりだ。
気付かないって方が無理な話だろう。
長瀬は、何やら廊下にいる女子に話しかけている。
女子は戸惑いながらも頬を赤く染め、何やら頷きながら答えている。
おい。そこの女子。
なぜ赤くなる。