なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

いや、いいんだけどさ。


話の腰を折ってもいけないから、黙っておこう。


それにしても、浅木くんと長瀬はやっぱり顔馴染みだったんだ。それも小学生からの…。


どうりで距離感が近いと思ったんだ。


「…実は俺、その時好きな子がいて。一緒に帰ったり遊んだり、結構仲がよくて。その年のバレンタイン、その子が誰かにチョコをあげるって噂になってたんです。それで俺、そこそこ期待しちゃってて」


そういえば、うちのバカな弟達もバレンタインとなると小学生の時から騒がしかったっけ…。そんなことを思い出す。


何でも男にとってバレンタインは、その年の命運を決める一大イベントなんだそうな…。


あのバカ三兄弟の言うことだから、よく分からないけど…。


しかし、この百戦錬磨に見える浅木くんにそんな時期があったなんて…ちょっと意外だ。


「いざ当日。いつもらえるのかな〜とか丸一日ソワソワしてて。そしたら放課後、彼女に呼び出されたんです。…俺、完全に有頂天になってました。この後、どうなるかも知らないで…」


ゴクリと喉が音を立てる。


「ど…どうなったの……?」


浅木くんは哀愁に満ちた瞳をこちらに向けて、恐ろしい言葉を口にした。
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