なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「“この本命チョコ、長瀬くんに渡しておいて”」
「……え」
「そう言って俺にチョコを預けた彼女は、背を向け去っていきマシタ……」
「………」
「………」
な、何も言えねぇっ…!
辛い!それは辛いっ!!
まだ小学6年生だった浅木くんの、いたいけな男心をえぐったことは間違いないっ!!
「そ、それは…お気の毒に…」
「問題はそれだけじゃないんデス」
え…まだあるの?
すでにちょっと心が折れそうなんだけど。
「その後、俺はそのチョコを渡しに渉のところに行きマシタ。渉は俺が差し出したそのチョコを見るや否や言ったんです…。
“いらね。お前にやる”」
「………」
……い、言いそうだ……。
もの凄く長瀬が言いそうなことだ…。
「…屈辱でした」
「…し、心中お察しします…」
長瀬は、小学生の時から長瀬なんだな。
浅木くんの気持ちを考えると、ため息しか出てこない。
「それからも、女に関することだけじゃなく、同じようなことが何度もあって。いつの間にか俺の中でアイツはライバルみたいな存在になってました。勉強でもスポーツでも、容姿だって、アイツだけには負けたくないっていつも思ってた」