なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
遠い昔を思い出しているのか、浅木くんは熱く火が灯ったような瞳で空を見つめている。


「当時は、あいつもそれなりにつっかかってきて、お互いライバル同士みたいな、何だかんだいい間柄だったと思うんです」


この前の2人のやり取りを思い出す。


長瀬があんな風に人と関わっているのを初めて見た。


きっと長瀬も、浅木くんのことを同じように思ってる。


そんな気がした。


「だけど、アイツのかーちゃんが再婚した時あたりから、どうもアイツの様子がおかしくなって…」


「再婚?」


「知りませんか?アイツのかーちゃん、アイツが小さい時に離婚してるんですけど、アイツが中学入ってすぐくらいに子供が出来て再婚してるんです」


「子供…。そ、そうなんだ…」


全然知らなかった。


不良をやってるからには、何かしら家庭の事情があるのかなとは思っていたけど……何だか思った以上に複雑そうだ。


ふと、大晦日の日に長瀬が言っていたことを思い出す。


“うちの親は、俺がやることに文句言えねぇから”


あの時のどこか寂しそうな表情……。


長瀬の心に何があったんだろう?


知りたい気持ちはあるけど、これは誰かの口から聞いていい内容ではないような気がする。
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