下手くそな恋を泣きながら
まるで若い男子の部屋に遊びに来たような落ち着きなさ。
座る場所に困っていると部長がベッドの端に座り、隣をポンポンと叩いた。
「俺の両親すげー歳よりだろ?」
「えっ?あ、いや・・・そんなことは・・・」
「いいよ。本当の事なんだから遠慮しなくて。
俺は両親が40代の頃にできた一人息子でね。
ここは母方の家なんだけど、父さんは婿養子。
父さんの仕事は転勤が多かったんだけど代々受け継いでるこの家を母は空けることができなくて、中学校卒業するまでは殆ど、この家で母と二人で暮らしてたんだ。」
このだだっ広い屋敷に母親と二人。
それはなんとなくも、寂しさを感じさせる幼少期を想像させられる。
「だからね、物心ついた時から、母の執着がひどかったんだけど・・・
それが当たり前だと思って過ごしてた。
そう小学校も高学年近くになって、周りに母親を″恋人″とからかわれる前はね。」
「恋人・・・ですか?」
思わずくすくす笑うと、部長は呆れたように「笑いごとじゃない。」とため息をついた。