下手くそな恋を泣きながら


「ずっと君だけが気になっていた。

出会った瞬間から失恋だったけどね。

君が入社をしてきた時は驚いたよ。

こんな偶然があるなんて予想もしてなかったし。

それに上司と部下。下手なことはできない代わりにずっと君を見てた。

だけどあの日・・・

この街で偶然君と出会った時には運命を感じた。

やっぱり君は春坂を好きで、自分の気持ちなんて届かないと思ったけどね。」


「うそ・・・?だって・・・」

「だけど、近くにいればいるだけ

君を知れば知るだけ

何度君に失恋しても・・・

君だけが特別だった。

君だけがしか見えなかった・・・」


泣きそうな顔で

優しく頬笑む。

「うそ・・・信じられないよ・・・」

だって

部長はいつだって

私の側で

私の恋を見守っていてくれた・・・

そんなこと

本当に好きだったら平気でいられる?



部長の気持ちを聞けば聞くだけ

胸が締め付けらる。

だって

その話が本当なら・・・

春坂先生の結婚式

私の大きな失恋。

私一人だけが悲しくて辛かった。

だけどその瞬間から私は・・・

一人ぽっちなんかじゃなくて本当は・・・

あの瞬間から部長は

私を見つけてくれていて

私は

一人ぽっちなんかじゃなかったなんて・・・


信じられる?


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