下手くそな恋を泣きながら
何がどうってわけじゃない。
先輩の机の上に置かれている書類を手に取り仕事を始めた。
なんで先輩はあんなになるまでなんでも一人で背負おうとするのか・・・
いつもそう。
周りに誰がいても頼らない。
意地っ張りで
性格悪くて
最悪・・・
最悪だけど
そうやって周りに迷惑をかけないように
いつも一人で頑張りすぎるから
嫌いだけど放っておけない。
私も、先輩みたいだったら・・・
部長が先輩を抱き抱えた事がよみがえる。
私も先輩みたいだったら・・・
ため息と共にキーボードを打つ手が止まる。
「・・・部長に抱き抱えられた先輩が羨ましいんじゃない。
女子の憧れ、お姫様抱っこなんてシチュエーションに反応したんだ。」
あんなに辛そうな先輩を見て、私は一体、何を考えてるんだか・・・
自分に呆れてしまいそう。
バッグの中で携帯が鳴ったけれど
早く終わらせて帰るために、今は仕事に集中することにした。
その電話の相手が誰なのかも、特別考えてもいなかった。