下手くそな恋を泣きながら



先生らしくない。

そんなメールに一瞬で一気に不安が募った。


「何かあったんですか?」

『本当ごめん。なんでもない。気にしないで』


隣で携帯を覗き見しようとしている先輩をかわしながらでは、メールの真意を考える暇もなくて

勢いのままに送った。

「先生に会いたい」

奥さんの存在なんて忘れていた。

送って直ぐになんて大胆なメールを送ったんだと後悔しようとした時

「俺も」

先生からのメールに我を失った。



「佳苗先輩、ごめんなさい。今夜の送別会、どうしても行けないので欠席でお願いします!」

先生からのメールを見てすぐの勢いのままに佳苗先輩に迫ると

圧倒されたように先輩は目を丸くしたまま頷いた。


驚くほどスムーズに、今夜お互いの街の中間で落ち合う約束をした。


何かあったに違いない。

会える嬉しさよりも、今、先生がどんな気持ちで私にメールを送ってきたのか

そんな悲しい不安で胸がいっぱいだった。

仕事中も早く先生の顔をみたい。

焦りが気持ちを先走らせて、時計ばかり気になってしまう。

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