副社長と愛され同居はじめます
大急ぎでシャワーを浴びて来た彼が可笑しくて、私はそのまま素直にベッドに連行された。
両頬を掴まれ、貪るような激しいキスを受けながら、ベッドの上に押し倒される。
キスの合間に混じり合う吐息が熱くて、欲情していることを互いに確かめ合いながら舌を絡め、指先が露出している首筋や襟元の肌を辿った。
だけど、それだけ。
肌を摺り寄せ合い、肌を舐め抱きしめ合う。
互いの熱が上がるのを感じながらも、それ以上はしなかった。
は、と短く息をつき、私の頬や額に唇が触れる。
「早く、小春の全部が欲しい」
胸が、苦しい。
じん、と身体の奥が熱くなる。
「……柊」
もう、そんな風になってもいいかもしれない。
確かに受け入れ始めている自分の気持ちを表したくて、私からも唇を寄せた。
だけど、言葉にすることは、できなかった。