副社長と愛され同居はじめます

「都合が悪くなるとダンマリするのやめてください。子供ですか」

「煩い」

「煩いって言った!」

「小春の方が子供みたいだ」

「違いますこれは浮気を疑う妻の予行演習です!」

「何言ってんのお前」

「自分でもわかんない」



まだ好きじゃない。
はず。


なのに突如浮かび上がった成瀬さんの女性問題にこんなに自分が感情的になるとは思っていなかったし。


何より、それを素直に認めることが恥ずかしい。



「……昼間の」

「何?」

「電話の女の人は誰ですか」



深呼吸して、出た言葉は結局これ。
これが一番、知りたくてすっきりしなくて。



「昼間、電話があってすぐ出掛けられたじゃないですか。関係あるって思われても仕方ないと思います」

「小春が心配するようなことは何もない」



そんな言葉で心配が消えてくれるなら、誰も浮気で悩んだりしないと思う。

< 98 / 129 >

この作品をシェア

pagetop