【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
「……泣き止むまで思った以上に時間かかったな」
「誰のせいだと思ってるの……」
完全な八つ当たり。
だけど「俺だろ」って微笑む彼がかっこいいからむかつく。涙のあとを拭ってもらってから、彼の肩に顎を乗せるようにしてジッと身を寄せれば。
「泣かせて悪かった。
……いい加減、落ち着いたか?」
「……うん」
「まだ呼吸浅いな。
吸いにくいだろうけど、深呼吸してみろ」
彼に背中をさすってもらいながら、深呼吸で呼吸を整えて。
幾分か呼吸しやすくなった中で、綺世の服をぎゅっと握ると、彼が「話すか」と口にするから。顔を上げて視線を絡めると、困ったような表情の綺世。
「ちょうど全員揃ってる。
……お前についてた嘘、全部話すから」
「、」
嘘。──そこにある、秘密。
知るのは怖いけれど、知らない方がきっと怖い。ゆっくり立ち上がらせてもらって、わたしたち以外に人のいない公園に敷かれたブルーシートの上に座ってから。
「どこから、知りたい?
……今日はお前に一切隠し事はしねえよ」
万理がくれたペットボトルのお茶を一口飲んで、ぐるぐる回る思考の中からひとつつまみだす。
みやから聞いて、そなたが認めたあれ。
「姫が実在しないって……どういうこと、」
わたしの寝不足にもなった原因を音にすれば、先に苦笑を浮かべるのはみやとそなたの方。
だけど答えてくれるのは綺世らしく、誰も何も言わない。