祐也と私と一平先輩
祐也は一平に向き直ると、再び言葉を続けた。


「あいつ他人が傷つくことには敏感なくせに、
自分が傷つくことには無関心ってか鈍感なんですよ。
だから余計な荷物を背負っちまう」


一平の眉が一瞬動いた。


「同じクラスだから良く分かるんです。
人の為に心を砕くのは悪いことじゃないけど、
まるで自分が傷つけられたみたいに落ち込んだりして。


そのくせ自分に辛いことがあったら、
”平気だよ”って顔してそれを笑顔で呑み込む。
辛いとか悲しいとか苦しいとか、そんな感情をただ呑み込む。


だからあいつの心はいっつも傷ついてるんですよ。
そんな意味で....お人よしってか、バカなんです」


祐也はもう一度空を仰いだ。


「まるで今日の天気みたいですよ。
あいつの心は切ないくらい...いい天気なんです。
...表面上はね」
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