祐也と私と一平先輩
「確かにこれから先、俺たちの関係は保証されてない。いつ別れるかもわかんない。けど、俺は今のお前とそうしてみたいんだ。一緒に頑張ってみたいんだ」


小坂くんの瞳に射抜かれて私は正直どうしていいのかわからない。

ただぼう然と彼を見つめ返すだけ。


「俺が学校でお前に冷たかったり厳しかったりするのは、お前を守るためでもあるんだ。言ってる意味わかるよな?」


「うん」うなずく私。


焼きもちを焼く女子たちから私を守るってこと。


「お前は一平さんに可愛がられることで自分をなくしていったんだ」


ゴクリと唾を飲み込む。


「それはお前の自衛本能だろうけど、お前に嫌がらせする女どもから、目立たないように、気づかれないように小さくなって生きてたんだ」


「私が清良先輩や玲奈みたいに、可愛かったり優秀でみんなが認めてくれる女子だったらよかったんだろうけどね」

緑色のビニール製の床材を手のひらで無意識になでる。
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