ふたつ減って ふたつ増える


日曜日の夕方
雨の音が響く。

仕事で出て行ったお母さんは傘を持って行ったかな
ふと考えながらレタスをちぎっていると

「お父さんが出て行った日を覚えてる?」
食卓テーブルで雑誌を読んでたお姉ちゃんが急に言いだした。

嫌がるタマを無理やり膝にのせて、ぼーっとしていたお姉ちゃん。
雑誌のページは進んでいない。

「え?」って聞くと
お姉ちゃんは私の目をジッと見つめた。
その膝でタマも私をジッと見つめ
キラキラ輝く四つの瞳は、涙目だから輝いていたのを知る。

「あの日、美羽をハグしてから、お父さんは私をハグしようとしたけど、私は照れて拒否したんだ」

憶えてるよ。
あの日も雨が降っていた。

「ずっと後悔してた、今でも後悔してる。どうしてあの時拒否したんだろう……って」

お姉ちゃんの目から涙がボロボロ出る。

封印していたお父さんの話を今になって出すお姉ちゃん。

「ハグしてもらえばよかった」

顔をぐしゃぐしゃにして大泣きするお姉ちゃん。









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