藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
「本当ですか!?
私も見させて下さい」
慌てて起き上がった。
藤沢先生のところに行き
近くで見させてもらうと……凄い。
私が寝ている姿を描いた人物画なのに
とても綺麗に描いてくれていた。
しかも、驚くほどによく似ている。
細かいところまで丁重に描かれていた。
やっぱり私は、この人の描く絵が好きだ。
繊細で切なくなるぐらいに優しくて
心が洗われるようだ。
「どうだ?」
「素敵です。
私なのに……私ではないみたいです」
間近で、じっくりて見ていた。
すると先生は、恥ずかしそうに目線を逸らして
その部分の絵を引き千切ってきた。
えっ!?
せっかく描いたのに……。
そう思っていたら
藤沢先生は、私にその絵を差し出してきた。
「やる。これは、
お前のために描いたものだ!」
えっ?
私のために描いてくれたの?
何で……。
「あ、ありがとうございます。
でも……何で?私に……これを」
不思議に思い尋ねてみた。