姫、私は誓います。
そんな事は分かっているんだ。分かっているんだけど、本当にあいつに甘えて良いのか不安になるんだ。我慢し過ぎているんじゃないか。俺に気を使っているんじゃないか。運命に縛られ過ぎてはいないか。
ラークとの事があったせいでそう思うのだろうか。恨みに恨んでいた人に実際に会ってみると惚れて殺せなくなった。でも、会うまでは殺す気でいたから惚れても思いを伝える気にはなれなかった。自分にはそんな資格はないが彼女の事は好きだ。だから、せめて自分の信頼出来る人と一緒になって欲しくてラークを応援し続けた。彼女の引き渡しを俺ではなくラークが買って出たのは、彼女の最後の日まで隣にいようとラークが決めたのは、俺がそこまで応援し続けたせいなのかもしれない。
ランバートは大丈夫だろうか。俺のように煮え切らない思いを持ち続けて最後の命を落としてしまわないだろうか。それが本能と言われればそれまでだ。でも、本能であろうと辛い事は俺だって知っている。どうしたら良い。どうしたらランバートも俺も納得できる結果になるんだ。どうしたら辛くならずに済むんだ。
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