姫、私は誓います。

まだ分からない。彼女が好きなのか、ただ高鳴るようなシチュエーションにいるだけなのか。ただ、強いていうのなら恋じゃなかったとしても俺は彼女の行動一つ一つに胸を高鳴らせている。予想外の行動を取られているからなのか、本当に恋してしまったのかは一緒にいればそのうち分かる事だろう。
俺は彼女の手を引いて、再び歩き始めた。長い長い森の道はこの世に二人しか生きていないのでは無いかと思うほど静かで、太陽は優しく足下を照らしてくれていた。木陰が続き、彼女の表情をちゃんと把握出来ないけれど俺の顔が赤くなっている事は分かった。頬が熱くて体が溶けてしまいそうだったんだ。

「ねぇ。・・・あの教会・・・」

しばらく続いた沈黙を打ち切るかのように足を止めて話し掛けてきた彼女。申し訳無さそうに指差した先には青い屋根の小さな教会が海の近くで輝いていた。きっと、あの教会にまで旅をすると言われてランバートに連れてこられたのだろう。