姫、私は誓います。
母の温もりのような安心感の中、私が眠りについていたと思うと何だか笑えてしまった。私の使っている椅子に股がるように腰を掛け、背凭れに腕と頭を乗せて眠るラーク。壁にもたれ掛かり、腕を組んで立ったまま眠るルーク。寝息を立てながら突っ伏して眠る姫。一緒に行動はしていないけれど大切な仲間、友人。

「ラーク、ルーク、風邪を引きますよ?」

姫を抱き上げ、私の寝ていたベッドに横にならせて二人を起こす。さすがに細くて軽い姫なら兵士ではない私の力でも動かす事位できる。ただ兵士の訓練で鍛え上げられた二人を動かす事は出来ないし、同性を抱き上げる趣味はない。

「クラウド、風邪はもういいのか?」

言葉にして気に掛けてくれるラークと遠巻きに態度で表すルーク。正反対の二人がここまで仲良くしているのも不思議なものだ。でも、それも二人とも同じ人に思いを寄せているからなのかもしれない。
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