姫、私は誓います。
「全部!一番上の本棚を全部確認してたの!あの家族と会いたくなくてね」

「何でそんな高い所を?」

このメンバーの中で一番日の浅いランバートが素朴な質問をして来た。確かに国王の書斎にある本棚は民家の三階に値する高さを持っている。ランバートのようにそんな高い所へと聞きたくなるのも無理はないだろう。

「姫の父上は大切な物を高い所にしまう癖がおありでな。アルバムや重要書類を見ておられたのだろう?」

「大切な人が何を大切にしておられたのか。知れるなら知りたいもんなんじゃないのか?ね、姫」

俺の後にそう言った相棒、ジンルークは俺の強い味方で良き理解者。そして、恋のライバルだった。この城に同期として仕え、同じ日に姫の専属になった。それまでは俺が姫を愛している事に反対していたんだ。
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