街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



それからは小さなタワーみたいなところに上ったり、軽くなんか食べたりして

ちょっとだけ時間が余ったけど、ここにハードロックとかいうものがあると運ちゃんに聞いたから、俺らはそこに行くことにした。

恋人と行く定番スポットなんだと。


なんか遊びまくってじゃっかん疲れてる俺らだけど、なんだかんだまだ楽しい会話が続いている。

本当にどんだけ話がつきないんだよってくらいずっと話してるし、常に笑顔で、たまに智樹に笑わされる。


まじでちょっと疲れるくらいずっと話してるけど、でも楽しすぎてやめることは決してしない。



そんな中、俺のスマホにLINEが届いた。


『次のところで告るわ。』


と、智樹から。


頑張れよ、としか返せねーけど
でも本当に頑張ってほしいと心の底から思ってる。

……なのに、なんでありきたりみたいな『頑張れよ』って言葉しか出てこねーのかな。


適当に言ってるつもりなんかなくて、本気で応援してるのに
それを伝える言葉は『頑張れ』しか思い付かなくて、たまに日本語が嫌になる。



どうしたらもっとうまく伝えられんのかな。




「━━はい、到着~。」


そんなことを考えてると車はまた停まり、外にはまた海が見えた。


「よっし、行くか~」


「あ。」


車を降りた智樹。
そして降りようと準備してる心優と青木。

だけど、俺は降りるのをやめた。


「俺さ、ちょい心優と話あるんだわ。
ここは二人で行ってくんない?」


告白するっつーのに、俺らがいたらそれこそ邪魔だ。
しかも運ちゃんまでいるなんて、さらに邪魔だ。

……つったら運ちゃんに悪いけど。


とりあえずせっかくなら二人の方がいいしな。


「山村さん、ちょっと違うとこ送ってくれます?」


「もちろん、いいわよ。」


「よし、決まり。
じゃあ心優は残って、青木は降りて。

また連絡するわ。」


「……おう、わかった。」



さすがの智樹はものわかりがよくて、智樹は青木の腕を掴んで青木だけ下ろし、ドアを閉めた。

……なんか、かっこよく見えるわ。


「んじゃ、アマジャフバル農村公園まで」


「……あまじゃふばる…?」



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