街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



「……じゃあ、夕焼けは太陽と地球からのメッセージってことか。」


「ま、そんなとこだな。
……明日で修学旅行も終わりだな。」


「そうだね。
でもきっと、明日も楽しい一日になりそうだね。」


「あぁ、なるよ。絶対。」


明日も絶対いいことがある。
そうやって伝わってくるよ。


「そろそろ戻ろっか?」


「心優。」


「…ん?」


「俺、応援してるから。
心優の留学。」


「……うん。」


「俺待ってるからな。」


「………え?」


「俺よりうまい飯を作れるようになって、俺をギャフンと言わせる日をな。」


「はは、そっか。
……うん、そうだね。

まぁもうオムライスはできるけどね。」


「それすら食ってねーし。
心優の進歩が楽しみだわー。」


「……その上から目線が本当にむかつく。」


「はは、それでこそ心優じゃん。
……戻るか。」


「うん。」


この夕焼けに別れを告げて、俺らは歩き出した。

この景色を惜しんで、いつまでもここにいるわけにはいかないから。


もうすぐそこまで明日が来てるから。



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