街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
車に戻った俺らは仲良さそうに話す青木と智樹を拾ってから、集合場所へと戻った。
今日はなんとかビリじゃない。ギリギリ。
「ありがとうございました。」
ちゃんと運ちゃんにもお礼をいって、金も払って俺らはバスへ乗り込んだ。
もうすぐ暗くなる。
そんな時間帯に、やっと民宿へと到着だ。
「よろしくお願いしまーす」
「よく来たね~!
ご飯できるから荷物を置いておいで!
お父さん!ほら、案内して!」
「あ、おう」
こんな、元気な母さんがいる弁当屋を営む小さな家だった。
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「なぁ、智樹」
「あー?」
飯を食い、風呂にも入って今日も寝るだけ。
修学旅行最後の夜だ。
「青木とどうなった?仲良さそうじゃん。
告ったのかよ。」
「あー…撃沈。」
「は?え、フラれたってこと?」
「ま、そんなとこ。
なんかいきなりとかは無理らしくて、友達からでもいい?だってさ。」
「あぁ、ならまだ前向きじゃん。」
「じゃなきゃ泣いてる。」
「きも。」
「うっぜ。」
……まぁ、確かにあの青木が簡単に付き合うとは思えない。
けど、今の仲のよさを見ればまぁいつかはくっつくかなって感じだな。
あとは智樹の頑張り次第、か。