街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
━━朝食後、俺と心優と父さんで畑へ来ていた。
今日は昼過ぎまでここで過ごすし、昼飯はみんなで作ろうとなって、買い出しは智樹が率先して行った。青木もつれて。
なんせ、楽だから。
じゃあ俺は畑な、と父さんに引っ張られたから、バリバリのお嬢様も道連れ。
こういう機会がないと畑なんてなかなか入らないしな。
つーことで、畑で野菜を収穫。
野菜もだけど、フルーツがとにかく見たことないようなものばかり。
まさに南国フルーツだ。
……しかも、普通にそこにマンゴーがある。
すげーな、南の国。
「ん、お疲れ。」
そして一通り収穫した俺らは一休憩。
座ってお茶を飲む俺らに、父さんは謎の食べ物を差し出した。
「・・・なにこれ。」
「果物だよ。食ってみろ。」
恐らく丸かったであろう果物が4つに切られ、中はがっつり紫色をしていた。
心優と顔を合わせ、とりあえず俺から恐る恐る一口食ってみた。
「…っあ、うまいわ。」
「だろ。」
なんだろ、瓜系?
きゅうりを甘くしたような、でもスイカとはまた違う。
初めて食った味だ。
……まぁ、こんな色の果物すら初めて見たものだけど。
「あ、ほんと。おいしい。
さっぱりしてる。」
「だろー?
見た目は悪いけど意外とイケる。」
「お前ら、食べ物を見た目で判断してんな。」
「はは、その通りだな。」
紅いもタルトといい、沖縄はこういう色の食べ物が多いんかな。