街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
「心優、さっき母さんたち戻ってきて向こう手伝ってほしいって呼んでたぞ。」
「あ、うん。じゃあ行ってくる。」
「は!?じゃあ俺だけでこれやんのかよ!」
「大翔だけじゃないぞ。俺もいるじゃねーか。」
……わかってるけど。
わかってるけど、俺だけこっちかよ。ハブりかよ。
ったく。
「ごめんね、大翔。
早く終われば戻ってくるね。」
そういって、心優は走って畑を出ていった。
「好きなのか?」
「は?」
「心優のこと。」
「……「ま、隠しきれてないけどな。
見てりゃわかるわ」
「なら聞いてんじゃねーよ。」
「言わねーのか?」
「……俺らはもう終わったから。
それに、心優留学するらしいし。」
「だから?」
「だから、言ってもしかたねーだろ。」
「はぁ?お前はバカか。」
「うるせーよ」
「会えなくなるなら、余計に言わなきゃなんじゃねーのかよ。
じゃなきゃお前、もう一生心優に会えないかもなんだぞ?
それでもいいのかよ。」
「・・・。」
「まぁ、うまくいくかなんてわかんねーけどさ
もしうまくいったら、またいつか会えるかもしれないだろ。」
「うまくいったって、戻ってくるまでに終わってるかもだろ。」
「だからって逃げんのか」
「…うるせーな、関係ねーだろ。」