街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



━━月曜日



「大翔!!」


さて、家を出ようとしたところ
なぜか朝っぱらから智樹が家に押し掛けてきた。


「おう、はえーな。
……ってかなに、こんな朝から。わざわざ俺を迎えに来たわけ?」


「んなわけあるか!!
お前、仁科ちゃんとどういう関係なんだ!!」


……は?


「…なに、は?」


「デートの相手、仁科ちゃんだろ!

俺を急いで帰したかと思えばここにすぐ仁科ちゃん来たろ!
最初は見間違えかと思ったけど、俺あのあと街行ったら見たんだよ!
大翔と仁科ちゃんが一緒に歩いてるとこ!

どういうことだ!」


「どういうこと、と言われても…
説明すると長くなるっつーか……」


にしても、見られてたとはな…
まぁ別にいいんだけどさ


「付き合ってんの?」


「は?んなわけあるか。」


「じゃあ仁科ちゃんとも…」


「ヤってねーからな?言っとくけど。」


「じゃあなんなんだよ!」


「だーかーら、用があったからあいつがここに来て、
そのあとたまたま行き先が一緒だったから一緒に買い物に行って、
ついでに飯食って帰ったってだけ。

友達なら普通だろ。」


俺はそういって靴を履き、智樹を外へ出して俺も外へ出た。
いつまでもここにいたら遅刻する。


「じゃあ大翔は、本当に仁科ちゃんのこと
なんとも思ってないんだな!?」


「しつけーな、なんとも思ってねーよ。」


「じゃあ俺がいってもいいってことだよな!?」


「はぁ?
……あぁ、告白?別に好きにすれば?

俺には関係ないし。


それより早くしねーと遅刻するぞ?」


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