街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
「……いつの間に、仲良くなったわけ?」
先に歩き出した俺の後ろで、智樹はいつもより大人な声を出した。
いつものわちゃわちゃ感はなくて
……こんな声も出せるんだな、なんて思ってしまうくらい、
「あー、台風の日かな。ちゃんと話したのは。」
そんな声が出せるくらい、こいつが本気なのがわかったから
からかうこともやめて、今までのことを全部話した。
さすがに、あいつの過去までは話せなかったけど……
「ま、あとは本人から聞けよ。
俺からあいつのことは勝手に話せねーから。」
「……ふーん、そ。
嫌いだから、友達になったってことね。
じゃあ俺望みなしじゃん。」
「あとは智樹の頑張りなんじゃねーの。
俺にはよくわかんねーけど。」