街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
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「ありがとうございましたー。」
喫茶店を出たあと、俺と智樹は
「見つけた、な。」
顔を見ることもなく、あいつが心優の元カレだということをお互いに確認し合っていた。
「こんな早く見つかるなんてな~。」
「……俺、ちょい先に帰るわ。
また明日な」
「え、ちょ…大翔!」
もう、なんか俺はただこのまま過ぎていくのが嫌で、足が走り出していた。
智樹を置いて、学校の方に走り出していた。
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「……なに、そんな息切れしてんの?」
「はぁ…はぁ…
おま…今日はここかよ…」
散々走って
走って、走って…
陽が暮れる少し前に、のんきに公園のベンチに座って鳩に餌を与えている心優を見つけた。
こいつ、いつも陽が暮れるまで外にいるから。
「え、もしかして私を探してたわけ?」
「他に、どんな理由があんだよ…」
にしても疲れた…
めっちゃ走った…俺も座ろ…
「別に連絡すれば教えたのに」
隣にどかっと座る俺に、呆れたように言う心優だけど
それを聞いて、俺は俺自身に呆れた。
俺、なんのためにスマホ持ってんだよ。