君の本気に触れた時…
「さ…冷めちゃったし、コーヒー入れ直すね。」


そう言って、結局一口も飲むことが出来なかった私のカップと少し減っていた彼のカップを手にして台所に向かった。

ダメだ…あんな事を聞かれたのと、ドラマのキスシーンのせいで冷静になれない自分がいる…。

どうして?シンクに手をつき、はぁ…と彼に聞こえないように息をついた。

その時、考えすぎていたせいか背後に近づく彼に気づかなかった…。

突然、背中にかけられた彼の声にまたビクッと肩が跳ねた。


「理央さん…」


彼には動揺しているのが丸わかりなのに、意識している事を知られたくなかった…。

なんだか…変な空気になってしまいそうな気がして怖かったから…

だけど、それは無駄な足掻きだったのかもしれない。

彼をこの部屋に入れた時点で…。
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