君の本気に触れた時…
そんな言葉を発した彼に、心臓が激しく高鳴った。

だけど…不快な嫌な音では…なかった。

分からせてあげると言った彼は、何をするでもなくただ私の目を黙って見つめていた。

どれくらいの時間が経ったんだろう…。

実際にはほんの2.,3秒という時間のはずなのに…彼の目に見つめられることに耐えられなくなり視線を逸らそうと思ったその時

私の頬に片手を添えた彼の顔が近づいてきた…。

頭では何をされるのか分かっているのに…嫌なら逃げられたのに、体が動かなかった…。

不思議と嫌だとは思わない自分がいて…気づいた時には、私の唇に彼の唇が重なっていた。

頭の中が真っ白になり、何も考えられなかった。

“ 分からせてあげますよ ” なんて少し傲慢なその言葉とは裏腹に彼の与えてくれるキスはひどく優しい。

そして何度も角度を変えられ重ねられるキスに、心ごと攫われるような不思議な感覚に陥りそうになっていた。


「…んんっ…ん」


唇が離されるわずかな合間に私の口から吐息が溢れていく。
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