君の本気に触れた時…
「理央さん、とりあえず車に戻ろっか…。」


彼に手を引かれ駐車場に戻ると、美子ちゃんの愛車が停まっているのが見えた。


「俺、車ないから…母さんの借りてきた。」

「ハル君、免許持ってるんだね。今更だけど。」


黒い軽自動車の助手席に乗り、彼が運転席に乗ってエンジンをかけた。

シートベルトをはめようとしていたその時、


「理央さん…」


名前を呼ばれた私は顔をあげた。

カチッとはまる寸前のシートベルトを握ったままの私の手から、彼がベルトを抜き取ると元の場所にスルスルと収められてしまった。

狭い密室で見つめられ吐息が触れ合う彼との距離に…胸がこれ以上ないほど締め付けられていく。

彼の手が助手席のレバーを引くと私の体が一気に後ろに倒れた。
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