君の本気に触れた時…
「じゃ、タクシーは私に払わせてください。」

「嫌。」

「じゃ、…せめて割り勘。じゃないと乗れません!」


強く言い切った私に頭上から、ハァ…というため息が聞こえたと思ったら諦めたような先輩の声が落ちてきた。


「分かったよ…。じゃあ、それでいいから今日はタクシーな。」


先輩の大きな手が私の頭に乗せられた。


「朝倉は案外頑固なところもあるからな…。」


先輩の優しい声と共に頭から降ろされた手が、そのまま自然に私の手を取るとタクシー乗り場に足を進めた。

今、わたし…先輩に手を繋がれてる?!

ありえない現実に、頭の中が少しだけパニックになっていた。

指先から私のドキドキが先輩に伝わっていくようで…更に鼓動が早くなった。
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