クールな同期と熱愛はじめ
「え、でも、ひとつしか空き部屋はないんですよね?」
「そうなんです」
それでは足りない。ふた部屋なきゃ話にすらならない。
「宇佐美さんか桜木さんのどちらかはホテルにお泊りいただくか、もしくは、その部屋が2DKなのでおふたりで……とか」
「――ふ、ふたりで!?」
つい大きな声が出てしまった。
だって、桜木くんと一緒の部屋だなんてとんでもない話だ。
「ほんの数日間の辛抱ですから。幸いにも宇佐美さんと桜木さんは同じ会社にお勤めで知らない仲ということでもないですし」
「そんなの困ります!」
管理人さんを責めても仕方がないことはわかっている。でも、これが言わずにいられようか。
ここから一番近いビジネスホテルだって、車じゃないと行かれない。その2DKの部屋は当然ながら、家具がなにひとつないだろう。
つまり、生活に必要なものは運び込まなければならない。