クールな同期と熱愛はじめ

◇◇◇

「申し訳ござません。本日はあいにくシングルルームは満室でございます」


タクシーで乗りつけたホテルのフロントで、スタッフは沈痛な面持ちで私たちに告げた。


「それじゃツインならあるんですか?」


桜木くんが尋ねる。
ツイン!?と驚いたが、きっと一部屋じゃなくて二部屋のつもりで聞いたのだろうと思い直した。


「申し訳ございませんが、ツインも満室でございまして……」

「全室空きがないってことですか?」

「スイートルームでよろしければ、ご用意できますが」


――スイートルーム!?
桜木くんの隣で目を剥く。
女性スタッフは微笑みを浮かべていた。


「いえ、別のホテルをあたります」


桜木くんに続いて頭を下げフロントに背を向けると、「あの、差し出がましいとは存じますが……」とスタッフが呼び止める。

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