クールな同期と熱愛はじめ

「この近辺のホテルは、似たような状況かと存じます」

「……なにかイベントでもあるんですか?」


もう一度フロントに向き直った。


「この辺一帯でイルミネーションが始まったのが、ちょうど今週末だったんです」

「……イルミネーションか」


そういえば、タクシーでここへ来る途中もきらびやかな光が美しい形を描いていたっけ。あれを見るために、遠くから泊りがけでやってくるみたいだ。

でもそれがまさか、近隣のホテルを全室満室にさせるほどだとは思いもしなかった。しかも明日は月曜日だ。さすがは開始直後だけある。


「お客様の代わりに、他のホテルに聞いてみましょうか?」


親切なことに、スタッフが気遣ってくれた。


「よろしいんですか?」


顔色を窺いながら尋ねると、彼女は快く引き受けてくれた。

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