クールな同期と熱愛はじめ
ところが、彼女の言ったように、どこのホテルも似たような状況だった。スイートルームならば空いていると。
「管理人さんに聞いてみるか」
桜木くんはスマホを取り出し、管理人室へ電話を掛けた。私に背を向け、彼が話しだす。
ホテルのスタッフは、別のお客の対応へと動いた。夜の十時近くになってもチェックインする人はいるみたいだ。
しばらくすると電話が終わったらしい桜木くんは、私に向けて親指と人差し指とで丸を作った。
「スイートルームでいいってさ」
「え? ほんとに?」
「ただし、一部屋でお願いしますって」
「――え!? 一部屋!?」
それじゃ、桜木くんとひと晩一緒の部屋で過ごすことになってしまう。
「それとも俺ひとりだけ、マンションの空き部屋に行くか」
これからまたマンションに戻ったとしても、布団を運んだりしなければならない。