クールな同期と熱愛はじめ

さすがに『そうして』とは言えず、おろおろしてしまった。

何気なくフロントを見てみれば、さっきのスタッフが心配そうに私たちを見ていた。
いろんなホテルに電話をかけてもらったスタッフの手間や、桜木くんの手間を考えると、残された道はひとつしかないように思えた。


「……それじゃ、スイートにふたりで……」

「本当にそれでいいんだな?」

「……うん」


私の答えに、桜木くんがホッとしたような表情をする。

いい方にとれば、これをチャンスと思って、桜木くんの気持ちを私に向ければいいのだ。
そう考えることで、このアクシデントをラッキーなことにしようとした。

フロントで手続きを済ませ、案内されたのは、最上階にある部屋だった。
ビジネスホテルということもあってか、きらびやかな装飾はないものの、とにかく広い。入ってすぐに三十畳ほどのリビングがあり、左側にはこれまた広いベッドルームがあった。バスルームにいたっては、ジェットバス付きだ。

初めてのスイートルームについ興奮してしまう。
「キャーキャー」騒いでいると、桜木くんに「はしゃぎすぎ」と言われてしまった。

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