クールな同期と熱愛はじめ

――いやいやいや。これはただ単に、スイートルームに興奮しているだけであって、別に桜木くんに特別な感情があるわけではない。

あ、いや、ちょっと待って。好きになってもらうためには、自分も相手を好きにならなくちゃダメだと胡桃に言われたのだから、この兆候はむしろ喜ぶべきなのか?

……うーん。わからない。

だからといって、これからどうやって桜木くんを私に振り向かせたらいいのか、手段のひとつも見つけられない。なんせ、私がネットで情報収集した“キュンポイント”は、彼には一向に効き目がないときているのだから。それどころか、あざ笑うようにあしらわれて終わり。
こんな状況では、本当に設計部から追い出されてしまう。


「あああああ!」


頭を抱えてその場にうずくまったときだった。


「おい、大丈夫か」


髪の毛をタオルでごしごしと拭きながら、不審な目をした桜木くんがバスルームから出てきた。自宅から持ってきたのか、スエット姿だった。

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