クールな同期と熱愛はじめ
「気でも触れたか」
「ち、違います!」
「ひでー頭」
そう言われて、ぐちゃぐちゃになった自分の髪の毛に気がついた。慌てて整えたところで、ひどいことに変わりはない。
「入れば?」
「う、うん」
そこから逃げるようにしてバスルームに逃げ込んだ。ドアを強く閉めたところで手ぶらで来てしまったことに気づき、もう一度部屋へ戻る。前しか見えていないことを証明しているみたいで情けなくなる。
桜木くんは片方の眉毛を上げて私を見てから、クククと嫌な笑い声を立てた。
せっかくだからジェットバスに浸かろうかと思ったが、シャワーを浴びている間に浴槽に溜まったのは、十センチ足らず。満杯になるまで待っていられず、結局お湯を抜いた。
明日の朝、少し早く起きてお湯を張ろう。
ささやかな決意を胸にバスルームを出る。
桜木くんは、テレビを見ながら大きなソファの上で缶ビールを飲んでいた。私に気づき、「宇佐美も飲むか?」と聞く。