クールな同期と熱愛はじめ

店の隅に行き、応答をタッチする。


『宇佐美さんですか? 管理人の上田です。大変ご迷惑をおかけしましたが、部屋の水漏れの修理が完了しました』

「もう終わったんですか?」


三日くらいかかりそうな言い方だっただけに驚いた。


『急ピッチで仕上げました』


これ以上スイートルームに宿泊されたら適わないと思ったのかもしれない。
なんにしても、部屋に帰れるのは喜ばしいことだ。

桜木くんにも連絡を入れたそうだが、電話に出なかったらしい。
私から伝えることを言って電話を切った。

彼の番号を呼び出しながらカウンターへと戻る。ところが、彼が出ることなく留守電に繋がってしまう。


「桜木くん、まだ仕事なのかなぁ」


ひとり言のように言うと、胡桃が「なにかあったの?」と尋ねた。


「今の電話、管理人さんからだったの。今夜から部屋に戻れるって」

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