クールな同期と熱愛はじめ
「そうなんだ。よかったね」
「でも、桜木くんが電話に出なくて」
もう一度彼の番号をタッチしたところで、間宮さんが「司なら、今日のこの時間は電話に出ないよ」と教えてくれた。
「なにかあるの?」
「学校だよ、学校」
「学校?」
胡桃と揃って首を傾げた。
「あれ? 知らないの? 司が設計関係の学校に通っていること。週一くらいだったかな」
「うん、知らなかった」
あっけらかんと答える胡桃の隣で、私はちょっとした衝撃に襲われていた。
あの桜木くんが設計の学校に……?
仕事が終わって、わざわざ夜間に通ってるの?
初めて聞かされた話に茫然としてしまう。
彼は彼で、努力していたのだ。
センスのよさに羨むばかりだった私の、なんと低レベルなこと。
彼の設計が通って当然だ。