クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
ホテルで預かってもらっていた荷物を回収し、タクシーで家へと帰り着く。
桜木くんには、帰りに私の部屋へ寄ってもらうようメールを送っておいた。
丸一日ぶりの部屋は、いつもと変った様子はない。水漏れの痕跡は綺麗に消えていた。
ありあわせのもので夕飯を食べ、お風呂に入ったりしている間、いろんなことを考えた。
いつもプランが通っていたのは、センスのあるなしじゃない。
もちろん、それも大切なことではあるけれど、それを磨く努力があったからこそじゃないのか。
それなのに私は、結果に嘆くばかり。
彼に敵うはずがなかったのだ。
彼に対して今まで感じていた悔しい気持ちが、別のものへと変化していく。
素直に尊敬してしまった。
そうして部屋のインターフォンが鳴ったのは、午後十時を回った頃だった。
「遅くに悪いな」
「ううん、おかえり」
さすがに少し疲れた様子だ。
「管理人さんが、あとで宿泊代の請求書を持ってきてくださいって」